JES2009 症例集

症例1
79歳 女性

右IIAA

【主訴】
検査異常
【起始・経過】
近医にて腹部触診上、拍動性腫瘤を指摘された。精査にて右内腸骨動脈瘤の診断にて治療目的に紹介となった。
【既往歴】
高血圧(+) 糖尿病(-) 脂質異常症(-)
【診断】
右内腸骨動脈瘤
【治療計画】
コイル塞栓術(Orbit)、covered stent内挿術(Atrium)

JES2009 症例1

症例2
74歳 男性

左腎動脈狭窄

【主訴】
検査異常
【起始・経過】
大腸癌術後、経過観察中、造影CTにて腎動脈狭窄症を指摘され、治療目的に紹介受診となった。
【既往歴】
50歳 高血圧(β-blocker、 α-blocker、ARBの3剤)
58歳 S状結腸癌 → S状結腸切除(D3郭清)
61歳 SSS、Af → ペースメーカー挿入
脂質異常症(+)、糖尿病(-)、喫煙歴(+)<40歳まで>
【検査】
Cr 1.5mg/dl
【診断】
左腎動脈狭窄症(高度狭窄)
【治療計画】
左腎動脈 stent内挿術(Genesis)

JES2009 症例2

症例3,4,5
74歳 男性

AAA / 左CIAA / 右腎動脈瘤

【主訴】
検査異常
【起始・経過】
66歳時に他疾患精査中、AAA(φ3.0cm台)が認められた。経過観察 となったが、AAAのsize upに加え、右腎動脈瘤も認められため、他院で開腹手術を勧められた。本人・家族が血管内治療を希望し、当院紹介受診となった。
【既往歴】
68歳 高血圧
73歳 前立腺肥大症
糖尿病(-)、脂質異常症(-)、喫煙歴(+)<56歳まで>
【診断】
AAA (φ4.7×4.1cm)・左CIAA (φ3.2×3.0cm)、右腎動脈瘤 (φ2.0×1.7cm)
【治療計画】
EVAR (Excluder)、左IIAコイル塞栓術(Orbit)、右腎動脈covered stent内挿術(Atrium)

JES2009 症例3,4,5

症例6
66歳 女性

腎動脈狭窄

【主訴】
難治性高血圧、CKD
【起始・経過】
難治性高血圧(降圧薬3剤)の精査時、左腎動脈閉塞が認められた。
2008年7月左腎動脈閉塞に対して、Palmaz stent(5×20mm)を留置。その後、降圧剤は一旦1剤に減量したが、2009年2月には3剤まで増量し、両下肢の浮腫が出現してきた。腎動脈の再狭窄を疑い血管造影を施行。両側腎動脈狭窄を認めたため、今回治療予定となった。
【既往歴】
35歳:脂質異常症、65歳:遅発性高血圧、66歳:左腎動脈ステント留置
【内服薬】
アムロジン、カルデナリン、アーチスト、リピトール、バイアスピリン
【現症・検査所見】
BP:130〜160、BUN/Cr:19/1.2
【診断】
右腎動脈狭窄、左腎動脈ステント再狭窄
【治療計画】
右腎動脈ステント留置(Genesis)、左腎動脈cutting balloon

JES2009 症例6

症例7,8,9,10
66歳 男性

TAA / AAA / 左腎動脈狭窄 / 右SCA瘤

【主訴】
胸部X線異常(人間ドック)
【起始・経過】
2008.2 CT施行。TAA φ4.8cm / AAA φ4.6cm確認、F/U開始。
2009.6 TAA 6cm / AAA 5.2cmに増大。
65歳時より高血圧発症(遅発性)。その後降圧剤1剤から3剤に増量した。
【現症】
上肢血圧:右>左(25mmHg圧較差)  Cr 1.2mg/dl
【既往歴】
高血圧(-) 糖尿病(-) 脂質異常症(-)
【診断】
TAA φ6cm /AAA φ5.2cm /左腎動脈狭窄(腎血管性高血圧疑い)
左SCA閉塞(2cm瘤) 右SCA瘤(嚢状、φ2cm)
【治療計画】
TEVAR (Talent) /EVAR (Excluder) / 左腎動脈ステント挿入術 (Palmaz)
余裕があれば右SCA瘤にcovered stent (Atrium)留置予定

JES2009 症例7
JES2009 case7,8,9,10

症例11
70歳  男性

TAAA(腹部debranching術後)

【主訴】
検査異常
【起始・経過】
1997年AAAに対して他院にてYグラフト置換術+左腎動脈バイパス術を施行。
術後のf/u中のCTにてTAAA(φ62.2mm)指摘されるも、開胸開腹手術は困難と判断された。ステントグラフト治療希望にて2009年5月当科紹介受診となった。2009年8月11日開腹腹部debranch(graft左脚-SMA, Celiac bypass, SMA, Celiac根部結紮)施行。
【既往歴】
OMI(PTAのみ:51歳)、appendectomy(57歳)
AAA(Yグラフト置換術:58歳)、透析導入(66歳)
両側iliac stent内挿術(68歳)
腹部debranching(2009/8/11、SMA,Celiac再建)
【診断】
胸腹部大動脈瘤(Crawford Type T)
【治療計画】
TEVAR(TAG、debranching後)

JES2009 症例11
JES2009 case11

症例12
62歳 女性

慢性大動脈解離瘤

【主訴】
背部痛
【起始・経過】
他院にて2002年8月に大動脈解離(stanford A)に対して上行大動脈置換術(腕頭動脈再建)を施行、2005年11月に中枢側吻合部仮性瘤、ARを認め、Bentall手術を施行した。術後、下行大動脈慢性解離瘤の拡大(径5.8x6.1cm)を認め、2007年2月当院紹介となった。2007年4月血管造影を施行。手術を勧めたが、本人の希望で経過観察していた。2009年8月になり、瘤径が拡大(径6.7x7.2cm)し、背部痛も出現したため、今回手術となった。
【既往歴】
55歳:上行大動脈置換 58歳:Bentall手術
発作性心房細動
高血圧(+) 糖尿病(-) 脂質異常症(-)
【診断】
慢性大動脈解離瘤
【治療計画】
TEVAR(TAG)にてPrimary tearの閉鎖

JES2009 症例12

JES2009 case12

症例13
33歳 男性

TAA

【主訴】
胸痛
【起始・経過】
先天性大動脈縮窄症に対して3歳時に非解剖学的バイパス術施行された。
11歳時に弓部-下行大動脈バイパス術施行されるも、非解剖学的バイパスの離断がなされなかった。他院で経過観察されていたが、2009年5月胸痛出現した。CTAにて非解剖学的バイパスの下行大動脈吻合部仮性瘤の診断にてTEVAR目的に当院紹介となった。
【既往歴】
先天性大動脈縮窄症に対して
3歳 上行-下行大動脈バイパス術
11歳 弓部-下行大動脈バイパス術
【診断】
下行大動脈吻合部動脈瘤(φ4.5x4.6cm)
【治療計画】
(1) 胸部ステントグラフト(Landing zoneの直径が2.1cmのためTALENT)
(2) 上行-下行大動脈バイパス部にコイル塞栓術

JES2009 症例13

症例14
59歳 女性

右内頸動脈狭窄

【主訴】
検査異常
【起始・経過】
51歳時に呂律が回りにくい症状有り。MRIの結果、脳梗塞と診断され保存的にほぼ後遺症無く改善。その後めまい感の精査で施行したMRI、エコーで頸動脈の閉塞が疑われ、当院紹介受診。
【既往歴】
51歳 脳梗塞
高血圧(+) 50歳から 糖尿病(-) 脂質異常症(+) 喫煙歴(-)
【診断】
右内頸動脈高度狭窄(無症候性?)
【治療計画】
High Lesionのためやむを得ず頸動脈ステント術(Angioguard/PRECISE)

JES2009 症例14

症例15
81歳 男性

右内頸動脈狭窄

【主訴】
なし
【起始・経過】
2003年脳梗塞発症。他院で左ICA閉塞と診断。その際TAA発見され、当院紹介。2008年8月TEVAR施行。外来f/uとなっていた。2009年7月頸動脈USにて右内頸動脈狭窄の進行が認められたため血行再建の適応と判断した。
【既往歴】
高血圧(+) 糖尿病(-) 脂質異常症(+) 喫煙歴(+)(10年前禁煙)
【診断】
右内頸動脈狭窄(無症候性)。病変末梢端C2下縁
【治療計画】
High lesionで対側CTOなのでやむなく右頸動脈ステント (Angioguard/PRECISE)

JES2009 症例15

症例16
79歳 女性

左内頸動脈狭窄

【主訴】
下肢間歇性跛行
【起始・経過】
他院にて間歇性跛行の精査にてCTAにてASO(両SFA, 左CIA閉塞)と診断され、紹介。CTAにて左頸動脈狭窄を認めた。
 (ASOに関しては跛行症状軽度で経過観察)
【既往歴】
高血圧(+) 糖尿病(-) 脂質異常症(+)
左大腿骨頸部骨折
喫煙歴(+)(3年前禁煙)
【診断】
無症候性右内頸動脈狭窄(高度)
【治療計画】
ステントをする言い訳がないので右内頸動脈内膜剥離術(CEA)

JES2009 症例16

JES2009 症例16

症例17,18
87歳 男性

AAA

【主訴】
検査異常
【起始・経過】
2008年6月大腸ポリープ治療で他院入院中にCTにてAAA指摘。
2009年8月当院紹介受診。
【既往歴】
心房細動、高血圧、腎機能障害
糖尿病(-)、脂質異常症(-)、 喫煙歴(+)<70歳まで>
【内服薬】
降圧剤(2剤)、強心剤、抗凝固剤、PPI
【検査】
Cr 1.84mg/dl、HbA1c 6.0%
【診断】
AAA (φ7.3×8.8cm)、右CIAA (φ2.6×2.7cm)
【治療計画】
屈曲強いためZenith Flex(本邦初公開)、右IIAコイル塞栓術(Orbit)

JES2009 症例17,18

症例19
68歳 男性

AAA

【主訴】
検査異常
【起始・経過】
2009年3月息切れを自覚。他院で労作時狭心症が疑われCAG施行した際に、腹部大動脈瘤が指摘された。
【ABI】
右 1.16 左 1.23
【既往歴】
不安定狭心症(2009年7月PCI)
高血圧(+) 糖尿病(-) 脂質異常症(+) 喫煙歴(+)
【診断】
AAA(φ4.3x4.7 cm 嚢状瘤)
【治療計画】
腸骨の屈曲強いのでZenith Flex(本邦初公開)

JES2009 症例19

症例20
71歳 女性

ASO

【主訴】
右間歇性跛行200メートル
【起始・経過】
2008年8月左下肢ASOの診断にて、左SFA狭窄部に Zilver PTX (薬剤溶出ステント)留置(第3回JES) 。術後左間歇性跛行は消失2009年7月右間歇性跛行を自覚。
【ABI】
右 0.68 左0.90
【既往歴】
高血圧(+) 糖尿病(+) 脂質異常症(-) 喫煙歴(+)
【診断】
右SFA CTO
【治療計画】
Zilver PTXの威力確認のために左下肢のAngio/IVUS。
右下肢に対してはPTA, Subintimal PTA, Cutting balloon, Atherectomyなどアドリブで決める 。
ワイヤー通過困難な場合はOutback catheterによる突破。

JES2009 症例20

症例21,22,23
66歳 男性

ASO

【主訴】
右間歇性跛行200メートル
【起始・経過】
2007年6月より症状出現
【ABI】
右 0.40 左 0.73
【既往歴】
高血圧(-) 糖尿病(-) 脂質異常症(-) 喫煙歴(+)(09年2月禁煙)
【診断】
右EIA CTO, 左CIA/EIA stenosis
【治療計画】
右EIA stent (突破困難ならOutback)
左CIA (BES)/EIA (SES) stent

JES2009 症例21

症例24
69歳 男性

ASO

【主訴】
左第1趾先端壊疽
【起始・経過】
2007年12月頃より右第1趾壊疽出現。2008年3月血管新生療法目的にて入院時、当科初診。
2008年3月 右F-P(AK) <SVG>。経過良好
2008年6月 左P(BK)-DP <SVG> → 2008年10月閉塞、左第2趾切断。
2009年3月 左AT PTA、左3・4・5趾切断。創は治癒。
2009年7月 左第1趾先端壊疽(左足CLI再発)
【既往歴】
54歳 DMでインスリン注射開始
60歳 DM性CRFで腹膜透析開始、65歳 HD開始
高血圧(-) 脂質異常症(-) 喫煙歴: 30歳から禁煙
【診断】
ASO (CLI)、左AT CTO
【治療計画】
左AT PTA

JES2009 症例24